地域自治体と連携した統計データ構築と神奈川・横浜の市区町村経済圏分析
活動の目的と内容
本プロジェクトの目的は、神奈川県を対象とし、各地域の特徴を浮き彫りにするデータを作成と地域経済分析を行うことにある。本プロジェクトで、分析を進めるツールとして地域産業連関表を用いる。地域産業連関表は、各地域の産業間の取引及び所得や消費、投資、輸出入といった諸関係を明示したデータであり、各地域の経済動向を分析するに当たっては最も包括的なデータの一つである。現在地域産業連関表は、日本においては各都道府県、政令市レベルで作成されており、神奈川県においては横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市などで作成されている。しかしながら、横浜市や川崎市、相模原市では各区の区分においてはそうしたデータは公的には作成されておらず、海老名や厚木といった県央、あるいは小田原、箱根といった県西地区でもそのようなデータは公的には作成されていない。
一方で、神奈川県は,横浜市,川崎市,相模原市といった都市部としての3政令市を持つ地域であるとともに,小田原,箱根,横須賀,厚木,海老名といった観光地や産業地区など様々な特徴をもつ各市町村,あるいは,人口が増加している県東部,人口が相対的に減少している県西部など状況が異なる各地区を持つ県である。そこで本プロジェクトでは、横浜市や川崎市、相模原市の区部や、県西、県央の市町村の地域経済を分析するための市区町村単位の産業連関表を作成し、神奈川県内内部の経済構造・経済相互依存関係を明らかにすることを目的とする。
地域課題解決・地域連携推進にどのように貢献するか
現在、各自治体の政策担当者や統計セクションの担当者は、必ずしも十分な人的リソースを有しているとは言えず、担当地域の統計・経済分析を十分に行えていないという課題を持つ。
一方、教育機関としての大学も、学生による座学での勉強をいかに現実の分析に実際に応用するかという大きな課題がある。
本プロジェクトはこうした両者の課題を踏まえて、学生を積極的・主体的にプロジェクトに参加させながら大学と地域の各自治体が連携して勉強、研究を進めることで両者の課題を解決しようとするものである。こうした連携した研究により地域の各主体がお互いに学び合い学習する地域コミュニティーの形成・醸成を狙う。
本プロジェクト推進に当たり、定期的な研究会開催によって地域研究を進め、学生による研究論文の完成を目指す。
メンバー
【活動代表者】
居城 琢 (国際社会科学研究院)
【学内分担者】
シュレスタ ナゲンドラ (国際社会科学研究院)
【学外協力者】
神奈川県統計センター
横浜市港湾局
(担当:地域連携推進機構)
地域連携推進機構
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