新音響文化研究会
活動の目的と内容
このユニットは、「サウンド・アート」というジャンルの拠点を横浜市内に形成することを目指します。事業の総括責任者である中川は、2011年度以降、年に1,2回のペースで大学の内外でサウンド・アート関連のイベント――ワークショップ、トークイベント、シンポジウム、レクチャー、パフォーマンスなど――を開催し、2023年12月には『サウンド・アートとは何か』という単著を刊行しました。「サウンド・アート」というジャンルの研究者としては第一人者であると自負しています。新音響文化研究会と名乗ることで、アートに関わる実践的プロジェクトのみならず、研究会やワークショップの企画も構想しています。
サウンド・アートというマイナーなジャンルに特化した文化的拠点は国内にはありません。なので、大学機関がサウンド・アートに特化したイベントを継続的に開催していく事業は、大学内外への文化的かつ教育的効果(のコストパフォーマンス)が高い事業です。地道に、しかし定期的にイベントを開催し続けることで、横浜にサウンド・アート研究の拠点があると知らしめることが本ユニットの活動目的です。
2024年度は、横浜国立大学構内において、サウンドウォーク作品(例えば、録音物を聴取しながら野音を散歩する作品)を制作展示します。これは中川の担当する「音響文化論演習」や大学院スタジオ授業の一環であり、学生に、空間あるいは環境の音響的側面に対する見識を深めてもらうことを目的としています。講師として数名のアーティストを招聘する予定です。この方法論が成功したら、次は、学外におけるサウンドウォーク作品の制作展示へと拡大する予定です。まずは本学から羽沢横浜国大駅あるいは和田町駅までの経路を候補として考えています。
地域課題解決・地域連携推進にどのように貢献するか
こうした活動を通じて本学の教育研究に貢献するとともに、サウンド・アート研究の拠点としての認知度を高めるよう努める予定です。結果的に本ユニットの活動は、「市民の創造性が発揮できる環境を整える」という横浜市の文化芸術政策に関する方針(「文化芸術創造都市・横浜」)に適合的なプロジェクトであり、横浜市の文化的状況の向上にもつながると考えています。
より具体的には、「羽沢横浜国大駅あるいは和田町駅までの通学路におけるサウンドマップを制作することで、地域に対する聴覚的な解像度を高める」というやり方で、地域課題あるいは地域連携推進に貢献する、ということができます。
メンバー
【活動代表者】
中川 克志 (都市イノベーション研究院)
【学内分担者】
榑沼 範久 (都市イノベーション研究院・総合学術高等研究院)
平倉 圭 (都市イノベーション研究院)
須川 亜紀子 (都市イノベーション研究院)
【学外協力者】
瀬藤 康嗣 (フェリス女学院大)
城 一裕 (九州大学)
西原 尚 (アーティスト)
(担当:地域連携推進機構)
地域連携推進機構
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