YNU地域連携 最前線

YNU地域連携 最前線
金太郎だけじゃない!学生が南足柄市の魅力を「ビジネスプラン」で提案
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金太郎だけじゃない!学生が南足柄市の魅力を「ビジネスプラン」で提案

「YNU地域連携最前線」では、本学と包括連携協定を締結している自治体等との連携事業の中から、注目される活動をピックアップし、皆様に発信していきます。
第1回目は、南足柄市で行われた集中講義「実践地域と起業」の報告を中心に、同市との連携ついて紹介いたします。

協定の特徴

南足柄市との連携は、同市に拠点のある富士ゼロックス(株)※1が同市と共同でスタートした「南足柄みらい創りプロジェクト」に本学が参加したことを契機として、年々連携活動が活発化してきました。そして、さらなる連携推進を目指し、2018年5月15日に南足柄市との包括連携協定を締結し、地域活性化やまちづくり、同市をフィールドとした教育活動の実施などの事項で、連携し協力していくこととしました。

学長(右)と南足柄市長(左)
学長(右)と南足柄市長(左)

フィールドワークをビジネスプランにつなげる

その連携協定の事業の一つが集中講義「実践地域と起業」です。この講義では学生が2泊3日間南足柄市に滞在し、講義やグループワークを通して、同市の課題の解決や魅力の発信を起業(ビジネスプラン)という形で提案するものです。参加した学生は18名。留学生2名、地元出身者1名を含む、幅広い学年・学部の学生が集まりました。

1日目。学生たちは市役所で講義を受けた後、大雄山駅前において2時間ほどフィールドワークを行いました。駅前の雰囲気を肌で感じた後、バスに乗り込み、主要な企業の工場や物産館、事業所、観光スポットなどを見学。宿泊先の最乗寺では、夜と翌朝4時半から1時間ずつ座禅を行いました。学生には大変興味深い体験となったのではないでしょうか。

2日目。グループワークが始まります。前日の講義やフィールドワークを通して考えた「南足柄の地域の課題」を各グループで討論し、まとめていきます。そして、その課題を「起業」という手段を用いて解決するプランを考えます。実際に南足柄市で起業した方のお話を聞き、学生の想像力やアイディアは膨らんでいきます。各グループの話し合いは夜遅くまで続きました。

最終日の発表に向け奮闘中
最終日の発表に向け奮闘中

3日目。会場を市役所に移し、発表に向けてプランの深化と発表準備を進めます。スライド資料を作成し、いよいよ発表会です。発表会には、市長、副市長をはじめ、商工会などからも、多くの方にご参加いただきました。 各グループの発表は以下のとおりです。

  • A班 南足柄の里山を生かした「ツリーハウス宿泊施設」で宿泊観光客 を呼び込む
  • B班 金太郎だけではない!町の魅力創出のため「まちおこし映画プロ ジェクト」
  • C班 南足柄市の農業・畜産業の特産を集めた「高級BENTO」を海外 富裕層に販売
  • D班 最乗寺で体感したお寺の魅力がつまった「お坊さんカフェ」

発表は、学生ならではの柔軟な発想をもちながらも、南足柄の地域の特徴や課題を捉えた、「地に足のついた」プランとなりました。南足柄市の加藤市長からは「ユニークで興味深いアイディア。実現できそうな事業も数多くある」とコメントをいただきました。

振り返りとこれからの展開

授業終了後の学生アンケートでは「再度受講したい」との声も聞かれるほど、満足度の高い授業となりました。特に、留学生には「横浜だけではない日本の地方の姿」、地元出身者には「ふるさとの再発見」という学びが得られたことと思います。
本学にとって、横浜の都市部だけではなく、南足柄市のような自然豊かな地域を教育・研究のフィールドにできることは大変ありがたく、重要なことです。今後とも本講義を継続していくとともに、高齢化が進む農山村地域で学生が農作業支援を行う「グリーンツーリズム」なども実施し、さらに連携活動を進めていきたいと思います。

加藤南足柄市長とともに
加藤南足柄市長とともに

※1横浜国立大学と富士ゼロックス株式会社は、2017年5月26日に包括連携協定を締結しています。

参考資料

  • 南足柄市 「協働のまちづくり通信」第3号 2018.8.21発行
  • 神静民報 2018.8.3「起業を用いて課題解決 南足柄市・横浜国大 連携協定で8日から講座」
  • 神奈川新聞 2018.8.22「夏季集中講座に横浜国大生 地域での起業 市に提言」
  • 東京新聞神奈川版 2018.9.3「南足柄市の活性化策 横国大生18人提案」

今回の連携事業の担当教員

成長戦略研究センター 客員教授・学長特任補佐(産官学連携担当) 梅野 匡俊
成長戦略研究センター 客員教授 林田 昌也
成長戦略研究センター 非常勤講師 井手 美由樹

編集後記

T:最乗寺の座禅・宿泊体験付きの授業というのも最前線的ですね。
Y:対応してくださったお坊さんも若くて気さくな方で、学生の面倒をよく見てくれたそうです。
T:うちのゼミ合宿もやってみようかな。
Y:まだまだいろいろな「お宝」がありそう。今後の展開が楽しみです。

(担当:地域連携推進機構)

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