YNU地域連携 最前線

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保土ケ谷区の子どもと1年間全力で遊ぶ!「がやっこ探検隊」が育む地域の絆
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保土ケ谷区の子どもと1年間全力で遊ぶ!「がやっこ探検隊」が育む地域の絆

「YNU地域連携最前線」では、本学と包括連携協定を締結している自治体等との連携事業の中から、注目される活動をピックアップし、学内外の皆様に発信しています。
第2回目は、横浜国立大学が立地する横浜市保土ケ谷区との連携事業の一つである「がやっこ探検隊」に注目し、本事業における教育学部学生と子どもたちの活動について、ご紹介します。

「がやっこ事業」の経緯と特徴

 横浜国立大学は横浜市保土ケ谷区にある唯一の大学ということから、本学にとって保土ケ谷区は、保土ケ谷区にとって横浜国立大学は、「地域連携」の縁が最も強い間柄にあるといえます。保土ケ谷区と本学との連携事業「がやっこ事業」の始まりは2005 (平成17)年度までさかのぼります。区の地域振興課から「区の小学生に年間を通して楽しい活動を提供したい」との相談を受けてスタートしました。本学としても、当時の教育人間科学部学校教育課程(現在の教育学部)の学生に、教育に関わる学外活動の機会を増やしたいと考えており、双方のニーズが合致した事業となりました。

 「がやっこ事業」では、今回紹介する「がやっこ探検隊」の他に、小学校で教員の補助を行う「がやっこ先生」、大学教員が小学生向け科学教室を開催する「がやっこ科学教室」の3つの活動を行っています。

大学生が企画・運営する「がやっこ探検隊」の仕組み

 「がやっこ事業」の中でも、区内の小学生に大人気なのが「がやっこ探検隊」です。「がやっこ探検隊」では、保土ケ谷区在住・在学の小学生80名と、本学の教育学部学校教育課程の学生46名が、1年間全7回の活動を通して交流します。夏には1泊2日のキャンプ、秋には野菜の収穫体験、他にも区民まつりへの出店や、水鉄砲遊びや工作など大学内での体験学習を行います。

 企画・運営するのは全て大学生。「子どもたちを喜ばせたい!」という熱い思いを持った学生たちが、教員や区の担当者の助言を受けながら、毎回工夫を凝らした企画を考えます。2018年12月に行われた活動では、クリスマスを題材にした寸劇を交えて、体を使ったゲームやクリスマスの衣装制作、巨大ツリーの飾りつけなどを行いました。

 毎年、応募多数で抽選が行われるほど人気で、参加した小学生やその保護者からの満足度も高い事業となっています。

写真1 みんなでツリーを飾りつけ
写真1 みんなでツリーを飾りつけ

学校では得られない体験を

 がやっこ探検隊では、学校も学年も違う子どもたちが1年間活動を共にします。また、学生は「先生」ではなく「大学生のお兄さん・お姉さん」として、子どもたちに接します。活動に消極的な子どもにも優しく寄り添い、声をかけて活動への興味を引き出していきます。こうして学生と一緒に思いっきり体を使って遊んだり、班のメンバーと話し合い活動したりする中で、子どもたちには学校以外の仲間や居場所ができていきます。最初は緊張で泣き出しそうだった子どもが、活動を終えるころには「もっと活動したい!」と笑顔で話すほどの変化をみせることもありました。

写真2 鬼ごっこも全力!
写真2 鬼ごっこも全力!

 教職を志す学生にとっても、教育現場以外で見られる子どもの「生の姿」に触れられることは、貴重な体験となります。がやっこ探検隊の本部学生で、教育実習を終えたばかりの3年生からは、「人前で話す、子どもに指示を出す、といったことが緊張せずに自然にできた」「がやっこ探検隊で、子どもの様子を想像しながら企画した経験が、授業づくりに生かされた」との声が聞かれました。1年間の活動の中で、子どもだけでなく学生も共に成長していくことが、 この「地域連携」の最大の魅力です。

写真3 がやっこ探検隊の運営を担う本部の3年生
写真3 がやっこ探検隊の運営を担う本部の3年生

今後の展望

 「がやっこ事業」が10年以上円滑に運営できているのは、地域の支えがあってこそだと思います。今後も地域の皆様に見守っていただきながら、事業を継続し、よりよい活動ができるよう教員・学生ともに尽力していきます。

 また、保土ケ谷区とは2013(平成25)年2月に「包括連携協定」を結び、多くの事業を実施しています。たとえば、留学生の地域行事参加や文化交流などの新しい連携事業も進んでおり、地域連携推進機構では、さらに幅広い分野へ連携活動を拡げていきたいと思います。

保土ケ谷区「がやっこ事業」担当者より

がやっこ探検隊に参加した子どもたちと学生のみなさんは、回を重ねるごとにどんどん仲を深めていき、最後の回では「横浜国立大学に入るためにたくさん勉強する」という子どもがいたり、「別れたくない」と泣き出してしまう子どもが何人もいました。これほどまで子どもたちと信頼関係が築けたのは、学生のみなさんが本気で子どもたちと向き合ってくださったからこそだと思います。この「がやっこ連携事業」をこれからも継続し、保土ケ谷の子どもたち(がやっこ)と学生の双方がともに大きく成長できますよう、尽力していきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(保土ケ谷区役所地域振興課 柿内浩平)

参考リンク

今回の連携事業の担当教員

教育学部 学外活動支援委員長 兼 連携運営委員(がやっこ探検隊担当)
島田 広 准教授
教育学部 連携運営委員長 兼 学外活動支援委員(がやっこ探検隊担当)
河潟 俊吾 教授
インタビュー学生 高田麻衣、芝田早希、塩沢直也、數本好慧、鈴木洋介

編集後記

T:「がやっこ」という名前だけはずっと前から知っていましたが、取材してみると、「これは本格的な「もう一つの学校」のようだ」と感じました。YNUが貢献できるモデル的地域連携の姿ですね!
Y:そうですよね。実は、私も教育人間科学部の卒業生で、学外活動に参加していました。後輩たちもがんばっています。
T:保土ケ谷区から励ましのお言葉もいただき、嬉しいですね。
Y:今後のがやっこ探検隊の活動にも期待しましょう!

(担当:地域連携推進機構)

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