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資源循環実践プロジェクト

活動の目的と内容

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、マスクは日常生活に欠かせないものになり、 着用後に捨てられた使い捨てマスクは、環境災害を招いている。使い捨てマスクに使われている不織布の原材料は、ポリプロピレン(polypropylenePP)である。これは使い捨て容器とペットボトルの瓶の蓋のようなプラスチック素材で、地面に埋め込めば腐敗するのに450年以上かかり、焼却時にダイオキシンなどの有害物質が排出され大きな問題になる素材だ。本ユニットは、マスクのような使い捨て廃棄物を再生することで、社会的付加価値を高め、住民に環境意識を植え付けることを目標とする。

 活動の核心は、本ユニットが民間団体と提携し、横浜国立大学キャンパスをはじめとする横浜地域の「環境拠点」としての役割を果たす場所に、別途の廃マスク回収箱を設置して、回収された廃マスクがリサイクル素材工場(フレーク・ペレット工場)に送られ、一連のプロセスを経て新しいプラスチック成形品として誕生することだ。マスクをしわけ圧縮して加工すると、どんな形でも使用に適した耐性があり、耐久性に優れたプラスチックポリマーが作られる。ポリマーは、庭園用テーブルとベンチ・多様な形の柱・花瓶、そして標識のような公共施設物を作るのに使われる。また、横浜国立大学や横浜市の物品及び広報物・ドローイングモールド・プラスチックシンボルなどの材料も製作できる。

地域課題解決・地域連携推進にどのように貢献するか

 ポリプロピレン素材の使い捨てマスクは、一般ゴミに分類され一括焼却されますが、廃マスクを焼却し続ければ、有害物質による二次被害が発生する。そのうち代表的にダイオキシンが人体に吸収されると、癌誘発・奇形児出産などの被害が現れる。廃マスク専用の回収箱がない現在のマスク処理方式により、路上を歩いていると、しばしば捨てられた廃マスクを簡単に見ることができる。これは美観を損なうだけでなく、周囲の環境を汚染している。

 本ユニットの活動が使い捨てマスクの正しい廃棄およびリサイクル可能性に対する認識を高めることで、埋立地でのマスク廃棄・焼却を防止または減らすことができると期待している。また、多重利用施設に廃マスクの分別収集箱を設置すれば、既存の処理方式の限界を克服し、日常の中で使い捨てマスクを正しく廃棄する方法が分からず、発生する問題を大多数解決できるものと期待される。市民が簡単に真似できる正しい廃棄方法を紹介することで、以前より多くの市民がこれを実践して廃マスク問題を緩和させることができるだろう。

メンバー

活動代表者:具 本埈 (総合学術高等研究院 リスク共生社会創造センター)   学内分担者:澁谷 忠弘(総合学術高等研究院 リスク共生社会創造センター)  学外協力者:本田 隆史(WWFジャパン)              学外協力者  :キム ヒョンド(京都大学 工学研究科 高分子化学専攻)

(担当:地域連携推進機構)

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地域連携推進機構
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