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経営における矛盾とジレンマが地域の産業や企業のパフォーマンスに及ぼす影響に関する学術的研究

活動の目的と内容

本プロジェクトの概要
今日多くの業界では競争が激化しており、企業組織では経営合理化、人員削減、早期退職プログラム等が導入されている。さらに、ITや自動化された機械が多くの従業員の仕事を代替することが一般的である。組織にはさまざまな変更が求められ、雇用関係も例外ではない。業界に広がるコスト削減のプレッシャーと雇用関係の変更は、組織におけるストレスの外的要因であり、それに伴い従業員は心理的契約違反、役割コンフリクト、役割の曖昧性などを知覚している可能性がある。これらの諸要因と、従業員の職務満足、雇用主への信頼度、職務パフォーマンス、感情の枯渇などとの関係性について、本プロジェクトではとりわけ両者の間のジレンマに着目しつつ、フィールドワークおよび定量的分析を通じて解明する。以上の通り、組織のなかの個人の感情的側面に注目し、そこにある矛盾やジレンマの構造やプロセスについて調査、分析を行う点が、本プロジェクトの第一の概要である。

くわえて、以下では本プロジェクトの第二の概要について説明する。今日の組織を取り巻く外部環境は不確実性の度合いを高めており、そのような外部環境に適応しながら持続的に経営成果をあげることは、組織にとって挑戦的な課題といえる。持続的な経営成果をあげるために、組織には一般に探索と活用の取り組みが同時に求められるが、探索と活用とは互いに矛盾し対立する特性をもつため、両者をひとつの組織内において同時に高いレベルで両立させることは容易ではない。とりわけ、保有する経営資源が限られる中小企業や学校組織にとって、探索と活用を両立させつつ持続的な経営成果をいかに追求するかという問いは、組織の存続に関わる重要な問いであるといえる。そのため、本プロジェクトでは、組織において互いに矛盾する探索と活用を両立させるための経営プロセスを解明するための調査、分析を行うこととする。

本プロジェクトの目的
本プロジェクトの目的とは、経営に関するジレンマや矛盾に着目し、それらの要因が組織のなかの個人の感情的側面や、組織における戦略的な意思決定に及ぼす影響を明らかにするとともに、それらの要因が組織のパフォーマンスに及ぼす影響について分析することである。以下では、上記の2つの目的について具体的に説明する。本プロジェクトの目的は、第一に、従業員の職場における働き方や同僚・上司・顧客などとの関係性のあり方が、人材育成や組織のパフォーマンスに及ぼす影響について、特にそれらの変数間に存在するジレンマに関する仮説を構築し調査分析することである。方法論としては、フィールドワークを実施し、従業員・管理職へのアンケート調査から回答を得て、そのデータを定量的に分析する予定である。

本プロジェクトの第二の目的とは、組織における探索と活用に関する戦略的な意思決定に注目し、互いに矛盾する特質をもつ探索と活用の取り組みがいかなるプロセスを経て、組織の持続的なパフォーマンスにつながるのか、その構造とプロセスを定量的に明らかにすることである。方法論としては、市場で入手可能な定量データをもとに、組織における戦略的な意思決定とパフォーマンスとの関係性を定量的に分析する予定である。

地域課題解決・地域連携推進にどのように貢献するか

地域社会に多く存在する中小規模の組織体にとって最も重要な経営課題とは、人材確保の課題と経営戦略の課題にいかに対処するかである。とりわけ、保有する経営資源が限定的な中小規模の組織にとっては、これらの課題に対処するにあたって生起するトレードオフの問題、矛盾やジレンマの問題にいかに有効に対処できるかが、組織の存続に大きく影響すると考えられる。また、地域社会に多く存在する中小規模の組織が、上記の経営課題に有効に対処し、持続的な経営成果を上げられるか否かという問題は、その地域の経済や社会の活性化に直結する課題であるといえる。その意味で、地域社会に多く存在する中小規模の組織における人材と戦略の課題、とりわけ、そこに生起するジレンマや矛盾の課題に着目し、そこに実務的に有益な示唆を導き出すことは、組織の持続的な経営成果の創出に貢献するのみならず、ひいては、地域社会の持続的な活性化に貢献できると考える。

メンバー

活動代表者:山岡 徹 (国際社会科学研究院)
学内分担者:谷地 弘安 (国際社会科学研究院)
連携研究員:岡部 倫子(連携研究員)
      吉田 崇(連携研究員)

(担当:地域連携推進機構)

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