Next Urban Lab

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支える人を支えるプロジェクト

ユニットの活動内容(進捗状況報告を含む)

 横浜市内で対人援助職従事者を対象とし、利用者との対人関係に焦点を当てた、精神分析的視点に基づくコンサルテーション(スーパービジョン)を継続的に提供するユニットを立ち上げた。第一回目の今年度は、保育士の方を対象とする。

 保育園において園児の発達を支援するために、保育士と保護者との関係は非常に重要な要素である。最近、従来の方法では円滑な関係性を保ちにくい利用者(保護者)が増えている。問題に直面し悩む保育士は多いと思われるが、問題を理解する方法が曖昧でアドバイスを得られないため、消耗し、疲弊している例が少なくない。こうした事例を精神分析的理論に基づき一緒に考えることで、問題解決に有用なヒントを得てもらうことが目的である。


何が「NEXT」か

 保育園においては、利用者の中に攻撃的・依存的・精神的に不安定な保護者が少数ではあるが存在し、その要求に応える方法が問題となっている。保育園・保育士に対し、利用者の多様なニーズを認め、個別対応を求める社会の要請は高まる一方で、保護者との関わり方・業務の進め方について、保育園・保育士をサポートする体制は十分とは言えない。親機能を発揮することが難しい保護者と対応するためには、まず保育園・保育士に実態を客観的に把握していただく必要がある。次に「なぜそのような問題が生じているのか」を、心の機能という点から理解し、問題の把握・理解につなげていくことが有用である。

 2018年度のユニット活動では、保育所内で発生しているさまざまな問題に取り組むことを可能にする精神分析的理解や実践法を提示し、園関係者の心理的側面のエンパワメントを目的としている。

 そのために、健康な関係性や病的な関係性が個人や組織内で発生するしくみについて、事例をとおして紹介する。さらに、そのような事例の精神分析的コンサルテーションを行う。問題点の整理・仮説・解決方法の提案を行う検討会を通じて、参加者は従来とは異なる視点を獲得できるだろう。地域において、親子の発達や育ちを「支える人を支える」ことが可能となる。


メンバー

活動代表者:井上 果子 新しいウィンドウが開きます (教育学部)
 分担者等:杉山 明子 新しいウィンドウが開きます (保健管理センター)
      田村 和子(男女共同参画センター)

(担当:地域連携推進機構)

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